Seek the Truth(真実を求めて)
国内外で活躍するダンスカンパニーDAZZLEの長谷川達也を演出・振付に迎え、オーディションを通じて選ばれたダンサー7名とDAZZLEによるオリジナル作品を、本芸術祭のために制作しました。日本に古くから伝わる「狐の嫁入り」をモチーフにし、”真実を探し求める”を意味するタイトル「Seek the Truth」では、
強く愛し合っていた男女が、狐が化けた女性に狙われ、仲を引き裂かれてしまいます。妖しい狐たちに幻惑されながらも、二人はお互いを求めて彷徨います。メンバーたちの優れたダンス技術から、幻想的な世界が繰り広げられます。
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【プロフィール】
DAZZLE
1996年結成のダンスカンパニー。メンバーは現在9名。ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合させた世界で唯一のダンススタイルを生み出す。舞台作品においては、映像によるテキストやナレーションで物語性の強い作品を上演。国内外で数々の賞を受賞し、2016年に20周年を迎えた。20周年記念公演「鱗人輪舞 (リンド・ロンド)」では、観客投票によるリアルタイムマルチエンディングを採用。新しい舞台体験の創造に成功し、千秋楽の生中継@AbemaTVは合計4万視聴を記録。本年7月22日にはアスタナ国際博覧会ジャパンデーへのゲスト出演が決定。そして8月、DAZZLEが20年間制作してきた作品の要素を再構築し、新たな挑戦をした体験型公演、イマーシブシアター「Touch the Dark」を開催、全10日間31公演が開始早々完売。好評を博し、10月末に再演が決定。再演チケットは発売スタートからおよそ90分で即日完売した。
長谷川達也
ダンスカンパニー・DAZZLE(ダズル)
ダンスカンパニーDAZZLE主宰、ダンサー、演出家、振付家。DAZZLE代表作「花ト囮」は2010年韓国SAMJOKOアジア演劇祭招聘、2011年シビウ国際演劇祭招聘、2012年ファジル国際演劇祭招聘(及び4部門ノミネート、2部門において受賞)など、海外のダンス・演劇界からの評価も高い。2013年には舞台「ASTERISK」にて総合演出・主演を務め、2014年再演。2015年3月、歌舞伎俳優の坂東玉三郎氏が総合演出を務め長谷川が振付を担当したDAZZLE主演舞台「バラーレ」で新たな境地へ。昨年10月にはダンス界では初めてのマルチエンディング方式を取り入れたDAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞 (リンド・ロンド)」(キョードー東京主催)を上演。そして21年目を迎える本年8月にはDAZZLEが20年間制作してきた作品の要素を再構築し、新たな挑戦をした体験型公演、イマーシブシアター「Touch the Dark」の企画・演出・振付を考案、好評を博し10月末に再演が決定。チケット発売スタートからおよそ90分で即日完売するなど業界内外から注目を集めている。
光牡丹ボタン–BOTAN–
DAZZLEによる発掘ワークショップ+オーディションで選ばれた障害のある7名のダンサーによるチーム。チーム名は、牡丹の絹のような薄く大きな花びらが幾重にも重なり、毬状にまとまったその花姿と花言葉である「風格」を7名のパフォーマンスと重ね合わせ、メンバーによって命名。また「ボタン」は、表現することを通して広がっていく新しい世界への扉を開くボタン(Button)も意味する。
踊るラッキーボーイ想真
自閉症をもつ狐神ダンサー。
独特の宇宙感で地球を巡る。地球にてホームレス生活。
2012年、ひきこもりから脱し、ダンス活動をスタート。
カンボジア・パレスチナ・シンガポール・ペルーなど、
「南米ペルー公演2019 日系移住120周年記念公演 」
「フランス JapanEXPO2018」
「ベトナム観世音寺フェス2015~2018」
「パレスチナ・ベツレヘムフェスティバル2017」など
夢は、地球を真の豊かに還すこと。
公式サイト/YouTubeチャンネル
梶本瑞希
――障害種別
聴覚障害
――今回の稽古を通して自分が感じたこと
初めて会う人でも ダンスを通して通じ合うことが出来ると感じました。
――自分自身が人に何を伝えたいのか
聴こえなくても、踊ることはできる。私はダンスが大好きです。
――ダンス歴
3歳~現在(13年目) ジャズダンス、モダンバレエスタジオ踊劇舎スタジオ公演
2010年・2011年「新撰組」/2012年・2013年「ブッダ」
2014年・2015年「NOBUNAGA」/2016年・2017年「DRACULA99」
竹田凪沙
――障害種別
聴覚障害
――今回の稽古を通して自分が感じたこと
メンバーの皆、一人ひとりがそれぞれ異なる「人」なので、壁の厚さが異なったり、共感と違和感の2つが反発していたりと、感じることはたくさんあります。その中で1つの作品を皆で作り上げていく、それは難しいことでかつ素晴らしいこと。自分の役割とは何かを考えあぐねながら、全うしたいと思っています。
――自分自身が人に何を伝えたいのか
私が「ろう」だということは1つの事実として頭の隅に置いておいて、私自身、チーム自身がそれぞれの個を活かして表現しているそのものをそのまま感じ取って欲しい。
――ダンス歴
ストリートダンス3年
BiG-i ART FESTIVAL 2016/第4回全国高校生手話パフォーマンス甲子園(ゲストとして)/TOKYOみみカレッジ/DANCE EARTH FESTIVAL 2016/HANDSIGN LIVE TOUR 2017 YELL/BARRIER FREE COLLECTION2017(バリコレ2017)
西村大樹
SOCIAL WORKEEERZ/アガイガウガ/2017年、日本の軟骨無形成症患者として初めて保健体育科教員免許(中・高)取得。「出来ない」、「やってはいけない」ではなく「向き合い方」を伝える体育、ダンスにおける身体表現を研究中。14歳から独学でクランプを中心にストリートダンスを始める。大学からコンテンポラリーダンスに出会い双方を織り交ぜたスタイルを軸に舞台やバトルに挑んでいる。NHK、Eダンスアカデミー、ひるまえほっと、NHK WORLD、バリバラ、B面会議などのメディア出演で身体表現の魅力、軟骨無形成症患者が向き合う社会問題を伝えている。先生としてもダンサーとしても100%かモットーで日々爆走中。
2019年9月 True Colors DANCE ~No Limits~出演
パフォーマンス動画
根間麗華
――障害種別
聴覚障害
――今回の稽古を通して自分が感じたこと
それぞれ異なっていて表現も豊かなところがダンスの良さだと改めて気づかされた。
――自分自身が人に何を伝えたいのか
障害があるから無理だと思わない。障害を現実から逃げる言い訳にしない。
――ダンス歴
小5からヒップホップを学ぶ。毎年川崎で開催される「D’live」に出演
東野寛子
――障害種別
右手第3・4指機能障害
――今回の稽古を通して自分が感じたこと
様々な枠を越えて表現することの楽しさと難しさ。
――自分自身が人に何を伝えたいのか
障害を逃げるための盾にしない。努力と工夫(と少しの運)で道を切り拓く武器に変えられる。
――ダンス歴
19歳よりバレエを始め、ジャズ、タップ、ボリウッドダンスを学ぶ。主にミュージカルの舞台やボリウッドダンサーとしてイベントに出演。
2020年2月 True Colors MUSICAL ファマリー「ホンク!~みにくいアヒルの子~」出演(インタビュー動画)
女松虫
義足パフォーマー・ダンサーの森田かずよと、インクルーシブダンスの分野で活躍する定行夏海によるダンスデュオ作品を、アジア太平洋障害者芸術祭「True Colours Festival」のために委嘱・制作しました。本作は、「とけあう」世界をコンセプトに、時空を超えた体の出会い。全ての人の体、DNAに刻まれた記憶。体の根源から湧き出るエネルギーが共鳴し合い、水の流れのように綿々と続く人類の遺伝子が響きあいます。解き放たれ、ふたりの体と魂が混ざり合い、時空を超えて広がっていく。いつかどこかで出会ったふたりの既視感。短くもはかない夜の物語です。モチーフとした、能の「松虫」は、時空を超えて河原で語られる男の友情のお話です。最後に”霊である自分の話を聞いてくれた観客をも含めて友である”と暗喩的に謡われます。客席と舞台がひとつにつながったと思わせるような作品です。
作品制作は両手両足義足のアーティストとして世界中で活躍したRisa Bufanoの共同製作者としれ知られるアメリカの振付家、Sonsherée Gilesによる振付と、サーカスアーティストの金井ケイスケによる演出です。衣装デザイナーとしても知られるソンシリーは、車椅子、義足などを身体パーツの一部として空間的にデザインし、パフォーマンスを彫塑的な美しさにまで高めていきました。
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【プロフィール】
ソンシリー・ジャイルズ
ダンサー、振付家、衣装デザイナー
サンフランシスコ在住。動物、ランドスケープ、アートヒストリーや日々の生活経験の観察に基づき、ダンスを創作、国内外をツアーしている。公立学校、施設、ダンスフェスティバルや大学でコンテンポラリーダンスを教えている。2005-2015年までAXIS Dance Companyのアソシエイト・ディレクターを務める。2008年、Alex Kately振付作品「To Color Me Different」でIsadora Duncan Award for ensemble performanceを受賞。2010年には、インテグイテッド・ダンスの分野で、Homer Avila Award for Excellenceを受賞している。
金井ケイスケ
サーカスアーティスト
中学で大道芸を始める。97年文化庁国内研修員として能を学んだ後、99年文化庁海外派遣研修員として、日本人で初めてフランス国立サーカス大(CNAC)へ留学。卒業後フィリップ・デュクフレ演出のサーカス『CYRK13』で2年間のヨーロッパツアー。その後、フランス現代サーカスカンパニー「OKIHAIKUDAN」をセバスチャン・ドルトと立ち上げ、ヨーロッパ、中東、アフリカなど35カ国で公演。2009年帰国。2016年にはパリ市とアンスティチュ・フランセが主催するLes Recollets2016 を受賞 。
森田かずよ
義足の女優・ダンサー
「二分脊椎症・側湾症」を持って生まれ、18歳より芝居を始める。表現の可能性を日々楽しく考えながら、義足の女優・ダンサーとして活動。NPO法人ピースポット・ワンフォー理事長。最近は人形作家とのコラボレーションなど、様々なジャンルの方と共に、障害を超えた身体のあり方を模索している。第11回北九州&アジア全国洋舞コンクールバリアフリー部門 チャレンジャー賞受賞。
定行夏海
ダンサー
フィジカルシアターカンパニーGERO所属。幼少の頃から西アフリカの伝統芸能を柳田知子氏と母である定行雅代より学ぶ。中学からNPO法人みやぎダンスのインクルーシブダンス活動・舞台作品に参加。京都造形芸術大学でコンテンポラリーダンスを学び、現在ダンサーとして舞台に立ちつつ、みやぎダンスでの指導やSLOW MOVEMENTでアカンパニストとして作品に出演するなど、インクルーシブダンスの現場を中心に活動している。“Afro Dance Groove”インストラクター。
武田久美子
コスチュームデザイナー
1979年 東京生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン学科卒業。テキスタイルの技術を生かしながらの舞台衣装デザインに興味を持ち、卒業後にロンドンへ渡英。London College of Fashionの衣装デザイン学科、引き続き同校の大学院にて専門的、技術的に、ステージ上での衣装の役割や効果を模索するようになる。大学院卒業後から本格的にキャリアをスタートし、グローブシアター、バービカンシアター、ノッティングヒルカーニバルなど、様々なパフォーマンスの衣装デザイン・制作をしている。2012年からは拠点を日本に移し、広告(TV、グラフィック、WEB)や音楽(コンサート、CDジャケット、Music Video)、映画、舞台の衣装など活動の場所を広げている
ジェローム・バウアー
音楽家・作曲家
フランスに生まれる。両親をアーティストに持つ。2000年以降、スイス在住。1989年から映画、テレビや演劇の音楽作曲を行う。パリでピアニストとして、7年間、高名なジャズマンであるミカエル・サルバディにジャズ音楽教育を受ける。さらに、2年間、演劇学校で学び、SACEMアレンジャー試験に受かる。ロカルノ国際フィルムフェスティバルで最優秀フィルム音楽作曲賞を受賞。イタリアの演出家ジャコモ・ラビッキオとの20年に渡って協働を続けている。