「なんなの、これ?」俳優・富田望生(みう)が謎の喫茶店に寄り道したことから始まる摩訶不思議な物語。喫茶店の店主(齋藤陽道)は、セロハンテープでつくられた奇妙なメガネをかけている。 店主に促され、望生もメガネをかけてみると、なんと日常の景色がアートだらけの世界に大変身!不思議なメガネに導かれるように、望生は独創的な作品をつくるアーティストたちと出会っていく。落ち葉を折りこみ動物を創り出す青年、鳥を描き続ける青髪の女、毎日欠かさずコンビニで自分の顔をコピーする男…個性豊かなアーティストたちの唯一無二の表現と生き様に刺激を受け、望生は自分の表現を模索しはじめる。アートを巡る旅をカラフルに彩るのは、楽団「パスカルズ」。本作のために書き下ろした楽曲を演奏するだけでなく、出演も!富田望生をよりファンタジックな世界に誘っていく。
どこまでがドラマで、どこからがドキュメンタリーなのか?
さぁ望生と一緒に、メガネをかけよ、旅へ出よう!
出演
富田望生 Tomita Miu
福島県いわき市出身。
2015年、映画『ソロモンの偽証』でデビュー。
その後『チア☆ダン』『あさひなぐ』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』など、話題作に出演。
近年は日本テレビ系ドラマ『だが、情熱はある』で、南海キャンディーズのしずちゃん役を熱演。
NHK 連続テレビ小説『ブギウギ』では、主人公スズ子の付き人・小夜役で出演。
2025年1月公開予定の映画『港に灯(ひ)がともる』主演。
齋藤陽道 Saito Harumichi
写真家/ エッセイスト/ 障害者プロレスラー
1983年東京都⽣まれ。都⽴⽯神井ろう学校卒業。
写真集・個展・文筆など幅広く活躍中。
2014年日本写真協会新人賞受賞。
『育児まんが⽇記 せかいはことば』を原作とした⼿話アニメーション『しゅわわん!』がEテレにて放送。
『よっちぼっち 家族四⼈の四つの⼈⽣ 』で、2024年第65回熊⽇⽂学賞を受賞。
パスカルズ Pascals
1995年結成。13人編成のアコースティック・オーケストラ。テクニックやジャンルにとらわれない自由なスタイルから生まれる音楽は、世代を問わず、自由と解放感を与える。ライブ活動やCD制作のほか、ドラマや映画の音楽も制作。ドラマ『凪のお暇』『妻、小学生になる。』、映画『さかなのこ』『川っぺりムコリッタ』の音楽などを担当。2023年に伊勢真一監督によるドキュメンタリー映画『Pascals ~しあわせ のようなもの~』公開。
出演アーティスト
渡邊義紘 Watanabe Yoshihiro
熊本県在住。幼い頃から生き物に強い興味を持っていた。
落ち葉に息を吹きかけながら、何度も繰り返し折り込むこと、10分。
義紘の手の中で象や犬など、葉っぱの動物が生まれる。
折り葉作品のほか、切り絵でも動物や恐竜をつくり続けている。
ミルカ Miruka
大阪府在住。10歳頃からアニメの影響を受けてイラストを描き始め、いつからか大好きな鳥の絵ばかり描くようになった。
普段からロリータファッションに身をつつむミルカは絵の世界もPOPでキュート。
カラフルな鳥たちがキャンバスの中で歌い合う。
高丸 誠 Takamaru Makoto
北海道在住。17歳から社会福祉施設「静内桜風園」で暮らしている。
20年以上、セロハンテープを使い眼鏡をつくり続けている。
つくった眼鏡は室蘭の実家で保管されている。
山積みになった段ボールの中にびっしりと詰まった眼鏡の数は2万?3万?
映画の中で富田望生が手にする眼鏡は高丸誠によって制作されたもの。
井口直人 Iguchi Naoto
愛知県在住。社会福祉施設「さふらん生活園」に通う。
施設にコピー機が設置されたことがきっかけで、自分の顔をコピーすることが日課となった。施設に通う途中にあるコンビニでも毎日自分の顔をコピーする。
ちなみにフルカラーは値段が高いので、2色刷り。
自然生クラブ Jinenjo Club
NPO法人。茨城・筑波山南麓で共同生活をしながら、有機農業や表現活動に取り組む。
豊かな自然に囲まれた生活の中で、太鼓やダンス、絵画、演劇、造形など、唯一無二の表現が生まれる。
杉本たまえ Sugimoto Tamae
神奈川県在住。黒のボールペン1本で、ひたすら小さな円を描き続けていく。
いつのまにかキャンバスには大きな葉っぱが浮かび上がる。
杉本は「葉っぱの中に宇宙が見える」と言う。
葉っぱの作品のほか、Tシャツを描いた作品もある。
Tシャツの絵は、浄化のようなものだという。
曽良貞義 Sora Sadayoshi
岐阜県在住。2012年に双極性障害と診断された。
死と隣り合わせの生活を続けていた頃、突然絵を描き始めた。
曽良の絵は、1本の線だけで描かれており、始まりと終わりが繋がっている。
小林伸一 Kobayashi Shinichi
中学校を卒業後、様々な仕事を転々としていたが、72歳のとき突然自宅の外壁に絵を描き始めた。
増殖し続け、家の外も家の中もすべて埋め尽くしてしまった。
小さな下駄は60年以上つくり続けている。
監督・脚本
伊勢朋矢 Ise Tomoya
2008年からフリーの映像ディレクターとして活動。
NHK『no art, no life』『ETV特集 人知れず表現し続ける者たち』『新日本風土記』『ファミリーヒストリー』、BS日テレ『小さな村の物語 イタリア』、WOWOW『ノンフィクションW』など、様々なドキュメンタリー番組を制作。ギャラクシー賞やATP賞、イタリア賞、ニューヨークフェスティバルなど、国内外で評価を受けている。プラネタフィルム代表。
劇場情報
2024年4月13日(土)から4月26日(金)、新宿K’s cinemaにて上映。
その後、横浜、東京ほか全国各地で順次上映予定。
詳細は以下の公式特設サイトからご確認ください。